2009 Fiscal Year Annual Research Report
超対称理論における非摂動効果の局所化の方法を用いた研究
Project/Area Number |
19740120
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
太田 和俊 Meiji Gakuin University, 法学部, 専任講師 (80442937)
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Keywords | 素粒子論 / 数理物理 / 超対称理論 / 非摂動効果 / 局所化の方法 |
Research Abstract |
余次元空間方向に対して座標依存性を持つゲージ結合定数を用いて、ドメインウォール上にいかにしてゲージ場が局在化し、より次元の低い空間にゲージ理論が現れるかについて研究を行った。今回の研究で明らかになった機構を用いると、弱結合領域での低エネルギー有効理論として質量を持たないベクトル場と質量ギャップが現れる事を示した。さらに、そのベクトル場はクーロン則に従うことがわかり、このことから、ドメインウォール上にはゲージ理論が局在化していると結論される。 この機構において重要である座標に依存したゲージ結合定数を実現するため、5次元の超対称ゲージ理論を用いたモデルも提唱した。このモデルには基本表現に属する物質場が含まれているが、この物質場の真空期待値によって構成されるドメインウォール解を具体的に用いると、5次元超対称ゲージ理論におけるプリポテンシャルのChern-Simons結合を通じて、今回提示した機構にふさわしいゲージ結合定数の座標依存性を得る事ができた。すなわち、物質場を含む5次元超対称ゲージ理論の古典解としてドメインウォールの配位を考えると、そのドメインウォール上で自然な形でゲージ場が局在化するという事である。これら具体的な例も含めた一連のゲージ場が局在化する機構は我々が今回初めて提唱した事柄である。 これら一連の研究成果の論文は、雑誌Progress of Theoretical Physicsに現在投稿中である。
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