2010 Fiscal Year Annual Research Report
超対称理論における非摂動効果の局所化の方法を用いた研究
Project/Area Number |
19740120
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
太田 和俊 明治学院大学, 法学部, 専任講師 (80442937)
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Keywords | 素粒子論 / 数理物理 / 超対称理論 / 非摂動効果 / 局所化の方法 |
Research Abstract |
本年度は研究課題である局所化の方法を用いた超対称ゲージ理論の研究の総括的な研究を行った。具体的には超対称グージ理論におけるBPS条件から導出されるヴォーテックスのBPS方程式に対して、その解の空間であるモジュライ空間の「体積」を局所化の方法を用いて計算を行った。ヴォーテックスのモジュライ空間の体積はアーベル的ゲージ理論に対しては具体的なメトリックを用いた計算の例が知られているが、本年度の研究で行った局所化の方法を用いると、非アーベル的ゲージ理論や物質場が多数存在する場合においても用意にヴォーテックスのモジュライ空間の体積が計算可能である事を示した。 さらに局所化の方法を用いると、ヴォーテックスが存在するリーマン面の種数や面積に依存した関数としてモジュライ空間の体積を導出することができ、単純な体積という情報以上にモジュライ空間のトポロジーに関しても議論が可能である事を見いだした。 また、ブレイン配位から得られるヴォーテックスの有効理論から構成されたHanany-Tongのモジュライ空間の体積についても、同様の局所化の方法を用いて計算を行い、ヴォーテックスのBPS方程式に対するモジュライ空間の体積と比較を行った。その結果、Hanany-Tongのモジュライ空間において導入したΩ背景のパラメータとヴォーテックスが存在するリーマン面の面積との関連を明らかにした。 研究で得られたヴォーテックスのモジュライ空間の体積は純粋に幾何学的な量ではあるが、体積から読み取れる情報(熱力学的分配関数)や超対称ゲージ理論に対するヴォーテックスからの非摂動効果など、物理的にも非常に重要な意味を持つと考えられる。
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Research Products
(1 results)