2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740122
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今村 洋介 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (80323492)
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Keywords | M理論 / チャーンサイモン理論 / 超対称性 / モノポール / 指数 / ゲージ・重力対応 |
Research Abstract |
今年度は、あるオービフォールド背景上に置かれたM2ブレーンの上で実現される超対称チャーンサイモン理論と、その重力双対である、7次元内部空間によってコンパクト化されたM理論の間の双対性について研究を行った。 本研究の目的は、ゲージ理論の非摂動論的な効果を、ブレーンを用いることで解析することにある。3次元のゲージ理論において、非摂動論的な効果のひとつとしてモノポールを介した遷移があるが、3次元におけるモノポールが重力双対の側においてどのようなものに対応しているのか、以前は明らかではなかった。私はこれが内部空間のサイクルにまきついたM2ブレーンなのではないかということを昨年度の研究において提案したが、今年度はこの点についてのさらに詳しい解析を行った。 具体的には、N=4の超対称性を持つチャーンサイモン理論に注目し「指数」と呼ばれる量を計算した。この量は3次元ゲージ理論においてどのような状態が存在するかという情報を含んでおり、理論が持つ超共形対称性のおかげで強結合領域においても厳密な計算を行うことができる。また、対応する重力理論においても同じ量を計算することができる。上記のモノポールと巻きついたM2ブレーンの間の対応が正しければこれら二つの結果は完全に一致するはずであるが、これが成り立つことを今年度の研究において示すことができた。厳密に言えば、重力側の計算を行うにあたって、7次元ベクトル多重項が与える指数の形を仮定しているので、完全な導出とはいえないのであるが、この部分についても、仮定をせずに指数を直接導出できるという目処はついており、次年度には完全な結果を与えられる予定である。
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Research Products
(1 results)