2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740122
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今村 洋介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (80323492)
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Keywords | チャーンサイモン理論 / 3次元ゲージ理論 / M2ブレーン / M理論 / インデックス / AdS/CFT |
Research Abstract |
2010年度は、チャーンサイモン理論とM理論におけるM2ブレーンとの関係についての研究を行った。M2ブレーンはM理論に存在する膜であり、M理論のダイナミクスを理解する上で重要なオブジェクトであるが、その量子化はいまだ成功していない。M2ブレーンを理解するうえで大きな助けになると期待されているのが、AdS/CFTと呼ばれる双対性である。この双対性は、ブレーンの存在によって曲げられた時空(AdS時空)の上での重力場やそのほかの励起モードと、ゲージ理論(CFT)におけるゲージ不変演算子の間に1対1の対応があることを主張する。この主張を用いると、M2ブレーンとゲージ理論のさまざまな性質を相補的に調べることができる。しかしこの主張自体は証明されたものではないため、まずはさまざまなゲージ不変演算子がAdS空間上のどのような励起に対応するかを特定し、実際にそのスペクトルが一致することを確かめなければならない。私はN=4と呼ばれる種類のチャーンサイモン理論に存在するモノポール演算子と呼ばれる種類の演算子が実際に対応するAdS空間上に巻きついたM2ブレーンとして存在することを示した。また、このような解析をN=2と呼ばれる、より広い種類のチャーンサイモン理論へ拡張するため、N=2のゲージ理論におけるある種の演算子のスペクトルを与えるインデックスの一般公式を与えた。
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Research Products
(2 results)