2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅岡 陽一 The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 助教 (40345054)
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Keywords | 超新星 / Ashra / ニュートリノ / 広角光学系 / 近傍宇宙 |
Research Abstract |
まず第一に、昨年度よりAshraマウナロア観測地にて開始しだ定常観測を継続している。これまでのところ観測期間中の最大観測可能時間2833時間に対して、好天観測時間2630時間、実観測時間2610時間を達成している。合計の好天率、稼働率は、それぞれ93%, 99%となっており、観測地の優位性が示されていると言える。また、昼も含めた全時間に対する観測時間の割合(dutycycle)は、20%に達している。通常10%程度しか期待できないところで、倍近い値が得られている。稼働率99%に示された観測オペレーションの安定性は、昨年度に設置調整を行った、光学観測用のデータ収集系、天候モニター、雨センサー、雲モニター、温湿度計、シャッターコントロール、高電圧コントロール、衛星ネットワーク等から構成される、スローコントロールシステムの長期運用に支えられたものである。今年度も必要に応じてそれらのシステムの改良を行い、より安定に観測が実施できるようその基盤を強固にした。次に、超新星探索解析に関しては、特に画像重ね合わせ手法の開発を行った。日ごとに異なる夜光バックグラウンドの差し引き方法や、超広視野ゆえの画像ゆがみの補正、解像度の補正等を一つ一つ実データを基に検討し、最適な方法を探っている。特に、Ashra望遠鏡では解像度と集光力のバランスに独自性があるため、他の望遠鏡に比べて夜光成分の統計量が大きく、位置同定や輝度補正に非常に高い精度が要求される。この精度を段階的に達成するための方法の開発を行っている。
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