2007 Fiscal Year Annual Research Report
汎用ニュートリノ核子散乱シミュレーションプログラムの研究開発
Project/Area Number |
19740127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
早戸 良成 The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 准教授 (60321535)
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Keywords | ニュートリノ / ν核子散乱 / シミュレーション |
Research Abstract |
平成19年度はシュミレーションプログラムの汎用化作業の基礎部分を完了した。具体的にはこれまでスーパーカミオカンデ(SK)実験専用のプログラムライブラリへの依存を解消し、単独で配布可能なものとした。データファイルの出力形式も近年高エネルギー加速器実験などでよく用いられているソフトウェア(ROOT)からアクセスできる形式も用意し、SK実験以外での利用が可能とした。また、反応標的核種について水素と酸素のみが利用可能であったものを、水素と他の原子核1種類、たとえば水素と炭素の化合物のシミュレーションを可能なように改良、シンチレータなど水素と炭素の化合物を標的としたニュートリノ散乱のシミュレーションが可能となった。今回の改良では原子核中でのπ粒子の反応部分については、酸素での反応パラメータを内(外)挿することで行っている。その他、今後行われる予定のT2K実験における電子ニュートリノ出現解析で重要となる、単一γ生成反応(γN→1N'γ)のシミュレーションを可能とした他、単一π粒子生成反応や深弾性散乱の改良などを行った。これらの改良を加えたこの新しいシミュレーションプログラムをSciBooNE実験に導入、実験データとの比較を開始した他、SK実験の大気ニュートリノ解析や陽子崩壊探索でも利用を開始した。
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