2008 Fiscal Year Annual Research Report
フレーバー物理研究のためのガンマ線電子対生成を用いた位置偏光検出器の研究
Project/Area Number |
19740132
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石野 宏和 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (90323782)
|
Keywords | フレーバー物理 / Bファクトリー実験 / 小林・益川理論 |
Research Abstract |
本研究では、高輝度Bファクトリー実験(Super B factory, sBelle)において、γ線が物質中で電子対生成を起こす現象がらγ線の位置とエネルギー、偏光を測定し、フレーバー物理の新しい研究方向を展開することを目的とする。sBelleで、本研究のアイディアを展開できるかどうか、モンテカルロシミュレーションを用いて調べた結果、γ線の発生位置の精密測定から、小林・益川理論でのCPの破れの位相φ2の測定には一定の方向性を与えることができた。この成果は、sBelleに期待される物理と題したレポートにまとめられつつあり、まもなく公表される予定である。一方偏光測定は、電子・陽電子対の偏光面の測定精度が思うように改善せず、また、衝突点近傍の検出器に電子対生成をわざと起こすために挿入するタングステン薄膜の厚み・配置には、物質量がかさむのでかなりの制限があることがわかった。物質量についての調査・研究はsBelle用の検出器レポートにまとめられた。本研究を実現するには、sBelleの最内層の検出器にはピクセル検出器を用いる必要があることがわかった。そのために、高エネルギー加速器研究機構をはじめとする研究者グループとともにSOI(Silicon On Insulator)ピクセル検出器のR&Dも行った。大学院生とともにUSBでSOI検出を読み出すシステムを構築し、可視光を用いて動画をとることに成功し、ベータ線による荷電粒子の検出にも成功した。このシステムに基づき、現在さらに高度化したSiTCPシステム読み出しシステムが開発されている。
|