2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740135
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奥山 和美 Shinshu University, 理学部, 助教 (70447720)
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Keywords | 線形シグマ模型 / 8次元オービフォールド / ミラー曲線の量子化 / q変形された調和振動子 |
Research Abstract |
本年度は、超弦理論における時空の出現という研究課題に即して、弦の世界面の理論から見た時空の性質および位相的弦理論における弦の結合定数が小さくないような状況での時空の量子的な性質について研究を行った。 近年、M理論に現れるM2ブレーンが複数枚重なっている場合の有効理論としてのいわゆるABJM模型の研究に関連して、幾つかの5ブレーンのタイプIIB理論における配位の、M理論での双対として現れる8次元多様体の特異点が注目されている。私は、低エネルギー極限で8次元ユークリッド空間のオービフォールドを標的空間とする非線形シグマ模型に繰り込み群的にフローしていくような、線形シグマ模型を構成した. 更に、この模型の低エネルギー極限で現れる標的空間のハイパーケーラー計量を計算し、それが予想されるオービフォールドの構造を持つことを確かめた。 次に、コニフォールドと呼ばれる非コンパクトカラビヤウ多様体上の位相的弦理論に現れる非コンパクトなDブレーンを研究した。私は、このようなDブレーンの波動関数に対してq変形された調和振動子の代数が作用することを発見した。ここで、qは弦の結合定数の指数関数で与えられる。このような代数構造の存在は、弦の結合定数が小さくない場合にはミラー曲線の座標が非可換となり、位相的弦理論のB模型の標的空間が量子化されることを示している。
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Research Products
(2 results)