2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740135
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奥山 和美 Shinshu University, 理学部, 助教 (70447720)
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Keywords | N=4超対称ゲージ理論 / グローバルAdS / ウィルソンループ / ホログラフィー |
Research Abstract |
近年Pestunによって、N=4超対称ゲージ理論の1/2BPSウィルソンループの期待値がガウス型行列模型によって厳密に与えられることが示された。また別の発展として、Gaiotto等により4次元のゲージ理論の1/2BPSウィルソンループと2次元のリウヴィル理論(または戸田理論)の縮退表現に属する頂点作用素との関係が発見されるなど、BPSウィルソンループへの関心が再び高まっている。 このような発展を踏まえて、本年度はN=4超対称ゲージ理論の動径量子化の見方から、BPSウィルソンループの性質について研究を行った。超対称性を保つような円形のウィルソンループは、動径方向を時間と見ると時間一定の面上に存在している。一方、ホログラフィーの関係により、N=4超対称ゲージ理論の動径量子化はグローバルAdS_5上の超弦理論と等価である。この対応において、BPSウィルソンループにはAdS上の弦の世界面が対応し、その古典な作用はAdS上の極小曲面の面積で与えられる。私は、この極小曲面がAdSのグローバルな時間座標が一定の面上に乗っていることを示した。これはAdSの境界上の動径量子化の見方とうまく一致していて興味深い結果である。また、同一の中心を持つ2つの円形ウィルソンループの相関関数をグローバルAdSの見方から計算し、半径の比を変化させた時に生じる相転移について解析した。
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