2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740144
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥村 健一 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (40403935)
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Keywords | deflected mirage mediation / 有効modular weight / accidentalな小さな階層性 |
Research Abstract |
本年度は主に昨年度研究を行った超対称性の破れのdeflected anomaly mediationとmirage mediationを組み合わせた最も一般的な超対称性の破れの枠組みであるdeflected mirage mediationの質量スペクトラムを調べた。その結果、deflected mirage mediationにおいてもmirage mediationと同様に有効modular weightによって質量スペクトラムが記述できることが分かった。またSU(5)による大統一を考えると超対称粒子の質量の間に簡単なsum ruleが成り立つことが分かった。これにより有効gaugino質量、有効modular weightとsum ruleを用いることにより低エネルギーの質量スペクトラムからdeflected mirage mediationを構成している3種の超対称性の破れ(moduli mediation, anomal mediation, gauge mediation)がどの程度混入しているかを調べることが出来ることが明らかになった。具体的なgauge mediationの模型によってmirage mediationの質量スペクトラムがどの程度deflectするかを調べると一般的な超重力模型ではgauge mediationとmessengerによるmoduli mediationに対する繰り込み群のrunningの変化の間の相殺によりdeflectの効果は限定的になることが分かった。一方、パラメータを調整した特殊な模型やgravitino質量、Planck質量以外の新たな質量スケールを導入した模型ではmirae mediationから大きくdeflectさせることがあることもかった。 これらのdeflected mirage mediationの研究成果に基づきこの枠組みで小さな階層性問題の解決を考えると、結果的に有効modular weightの値を整数比にコントロールすることが困難であるためdeflectによりmirageスケールを有効的にTeVにする(α=2)ことで問題を解決するアプローチは難しいことが分かった。しかしmirage mediation様の量子補正の相殺を用いなくても元々の超弦模型(KKLT)の予言であるα=1で離散的なmodular weightの値の選択とdeflectの効果によりaccidentalに小さな階層性をもった質量スペクトラムを実現することが可能であることが判明した。
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Research Products
(6 results)