2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740148
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
今井 貴之 Tokyo University of Science, 総合研究機構, プロジェクト研究員 (70408756)
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Keywords | 加速器 / RF電子銃 / 自由電子レーザー |
Research Abstract |
本研究は、小型・高輝度電子源として、加速器、自由電子レーザー等で利用され、今後も高性能化が期待されているRF電子銃について、広く陰極及び加速空洞の技術を取り入れることで各技術の相補的な解を見出し、実用的な電子銃を開発することを目的としている。実証実験を行う予定の東京理科大学・赤外自由電子レーザー研究センターの自由電子レーザーの電子銃性能を満たすべく、本年度は加速空洞の設計、製作を中心に取り組んだ。 加速空洞として、電子加速区間とその後の電子通過区間の距離を自由に決定できる特長があり、Back-bombardment(電子ビームの陰極へのもどり)の軽減、あるいは低エミッタンス化、短バンチ化が期待できる、Disk-And-Washer(DAW)型構造を採用した。またDAW型の場合、空洞間のcouplingが大きいため、共振周波数のずれの影響が小さく、要求される工作精度がゆるやかになる利点もある。詳細な電磁場シミュレーションによる設計を行い、Disk固定方法に工夫をこらした空洞を製作し、現在最終調整を行っている。 今後、上述の自由電子レーザーに組み込み、電子ビーム生成実験を行っていく予定である。まず空洞の性能評価のため、陰極は既に同レーザーで実績のあるLaB_6単結晶を用いる。電子銃の陰極については、熱陰極、光陰極に加え、近年注目されるカーボンナノチューブ等の電界放出型が個別に盛んに研究が行われているので、本研究の目的でもある「各技術の相補的な実用的な電子銃」を目指し、空洞性能の評価を行いながら陰極についても並列して研究をすすめていく予定である。
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