2008 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒電子ビーム時間構造に関するビーム力学的研究
Project/Area Number |
19740150
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
島田 美帆 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 博士研究員 (10442526)
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Keywords | テラヘルツ / 赤外材料・素子 / 加速器 / モニタリング / 応用光学・量子光学 / シンクロトロン放射光 |
Research Abstract |
X線自由電子レーザーやエネルギー回収線形加速器など、次世代の加速器施設ではサブピコ秒の電子バンチの生成が重要な課題である。申請者は極端紫外光研究施設UVSORにおいて、既設のサブピコ秒の極短パルスレーザーを用いたレーザーバンチスライスと呼ばれる方法で電子バンチに数ピコからサブピコ秒のディップ構造を形成し、擬似短バンチとみなしてその振る舞いを追跡した。その擬似短バンチの測定にはテラヘルツ領域のコヒーレントシンクロトロン放射光を用いた。 テラヘルツの測定には、赤外・テラヘルツ光で国内最大の取り込み角を有するビームラインBL6Bで測定を行った。ボロメータを使ったテラヘルツのスペクトル測定にはすでに成功しており、昨年度には国内初のバンチスライスの実測として、論文に発表を行った。 本年度は、擬似短バンチの時間的推移を観測するために、低αオプティクスを使ったと呼ばれる特別なモードで加速器の運転を行った。通常の運転では擬似短バンチは短い時間で伸びてしまい周回後には観測できなくなるが、このモードでは比較的長い時間、周回させることができる。測定器は5.6MHzの周回周波数より速い時間応答のショットキー・ダイオード型検出器でテラヘルツ放射光の測定を行った。その結果、テラヘルツ光は数周の間観測され続け、擬似短バンチが保持されていることがわかった。さらに、バンチ断面方向の振動が進行方向に現れる現象が現れていることがわかっか。この実験例は、初めての観測例であると思われ、現在論文に投稿中である。
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Research Products
(2 results)