2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740151
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小浦 寛之 Japan Atomic Energy Agency, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (50391264)
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Keywords | 原子核理論 / 超重核 / 原子核質量 / 原子核崩壊 / r過程元素合成 |
Research Abstract |
本研究課題における目的は、大域的原子核質量模型を用いて原子核の崩壊様式の大域的計算を行い、原子核がどこまで存在しうるか、また有限であればどこまで核種数が存在しうるかを調べ、その性質を明らかにすることである。 本課題における理論計算に用いるKTUY質量模型は、まず球形原子核の基底を計算し、つぎに任意の原子核(一般に変形している)について球形基底の原子核形状に対応する配位混合計算を行うことにより原子核質量を与えるものである。具体的にはまず大域的核種領域に適用可能な球形単一粒子ポテンシャルを用意し、得られる球形単一粒子準位を用いて球形基底計算の元となる球形殼エネルギーを作成する。これを原子核の変形に応じて変形殼エネルギーを計算して行く。 平成20年度は前年度までに用意した球形殼エネルギーを用いて変形殼エネルギーの計算を進めた。計算は現在も継続中であるが、ここまでの計算結果を用いて、本課題の目的の一つである原子核の存在核種数の粗い推定を行った。1ナノ秒以上の全半減期を持つ核種が約1万1千核種程度、1マイクロ秒以上の核種が約1万核種程度、1ミリ秒以上のが約8千核種程度、1秒以上のものが約4千核種程度という見積もりを得た。核種領域も中性子数N=308程度を多少超える程度となるという見積もりも得た。今後最終的な結果に向けて検討を進めていく。 崩壊様式については、α崩壊計算におけるパラメータ調節を行い、同部分半減期計算の準備を進めた。
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Research Products
(3 results)