2007 Fiscal Year Annual Research Report
次世代加速器用超伝導磁石への応用を目指した超伝導線材のクエンチ伝搬特性の研究
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19740158
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
佐々木 憲一 High Energy Accelerator Research Organization, 超伝導低温工学センター, 助教 (70322831)
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Keywords | 化合物系超伝導体 / クエンチシミュレーション / 超伝導磁石安定性 |
Research Abstract |
次世代加速器用超伝導ケーブルとして期待されているNb3Sn,Nb3Al超伝導線材を用いた超伝導磁石のクエンチ保護解析を目的として、試作したNb3Sn,Nb3Al超伝導線材の安定性評価および汎用クエンチソフトの開発を行うことが本研究の目的である。試作線材の安定性評価については、様々な断面形状を持ったNb3Al・Nb3Sn超伝導線のクエンチ伝搬速度および最小クエンチエネルギーMQE(超伝導線がクエンチするために必要な最小のエネルギー)を、通電電流値や外部磁場、冷却条件を変化させて測定、評価を次年度に行う予定であり、本年度はその実験のための装置開発を行った。サンプルに外部磁場を印加するために冷凍機冷却ソレノイドを用いるが、その既存の装置に取り付けられるようなサンプル冷却用クライオスタットの一部を製作した。具体的にはサンプルを冷却するためのヘリウムをためておくヘリウム容器、外部磁場印加用ソレノイドとの間に真空境界を設けるための真空ボアー、ヘリウム容器とサンプルを真空断熱するための真空容器を製作した。サンプルの交換時間を短縮するため、ソレノイドとサンプル冷却用クライオスタットの真空断熱空間に境界を設け、個別に真空引き、冷却ができるように工夫した。その他必要な部品、サンプル挿入用コールドボア、真空容器用トップフランジ、サンプルホルダについては次年度始めに製作する。 汎用クエンチ解析ソフトの開発については、申請者がこれまでに開発した解析コードを発展させて一般に公開する事を目的とし、解析モデルのデータ入力部の簡素化を行った。エクセルなど、表形式に対応したソフトでデータ入力できるように入力フォーマットを整理した。また、解析結果の表示について、これまでは2次元投影図のみの表示だったのに対し、複雑な形状をした超伝導磁石での結果表示にも対応するため、3次元モデル表示を可能とした。
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