2008 Fiscal Year Annual Research Report
テルル化カドミウム半導体を用いた高精度ガンマ線プローブの開発、実証研究
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19740172
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
渡辺 伸 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 助教 (60446599)
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Keywords | ガンマ線検出器 / CdTe半導体 |
Research Abstract |
高いエネルギー分解能と位置決定能力を同時に兼ね備えた硬X線、ガンマ線検出器は、さまざまな分野の研究、調査において、強力な手段となりうるもので、実用化が望まれている。本研究では、私がこれまで宇宙観測用の検出器研究の中で発明し、特許出願してきた高精度ガンマ線プローブとガンマ線源の3次元位置検出法の実証を行い、その手法を確立することを目的とする。このガンマ線プローブは、ピクセル型のテルル化カドミウム(CdTe)半導体検出器を多段に積層したものであり、平成20年度には、1.4mm角ピクセルを持つCdTe検出器を4段積層したプローブを用いて、実証実験を行った。様々な線源からのガンマ線を用いて、3次元の位置検出法を実証するとともに、新たにコンプトンカメラの手法も取り入れたガンマ線プローブの開発を行った。コンプトンカメラとしても3次元イメージングの手法を発明し、数cm先で、約1mmの位置分解能を達成できることを実測、シミュレーンョンで確認を行った。それらをもとに、共同で特許の出願を行った。 これまでのピクセル検出器での実証に加え、新たに開発に成功したCdTe両面ストリップ検出器の性能試験を行った。今後、ガンマ線プローブにこの両面ストリップ検出器を適用することで、少ない読み出しチャンネル数のまま、高い位置分解能、高精度の位置検出を実現することが可能になる。今年度は、初期の性能試験で、優れた撮像分光能力を実証し、それらの成果を国際学会、査読論文で発表した。
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