2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740184
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
武田 さくら Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 助教 (30314537)
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Keywords | Si(111) / アルカリ / アルカリ土類 / ARPES / RHEED / STM / 電気伝導度 |
Research Abstract |
7×7及び5×5DAS構造の電子状態を角度分解光電子分光(ARPES)を用いて調べるため、高不純物濃度シリコンを基板として用いて表面電子状態の測定を行った。その過程で、表面近傍では不純物濃度が低下することが反転層中の量子井戸準位の測定から判明した。これは、シリコン表面を清浄化する際に高温にてアニールする過程が原因だと考えられる。不純物濃度が低下すると低温測定において、測定のエネルギー精度が悪化するため、今後はより高不純物濃度のシリコン基板を用い、高温にてアニールする過程なしで表面清浄化をする必要があることがわかった。 シリコン(111)表面上へのアルカリ金属(K, Li)、アルカリ土類金属(Mg, Na)の初期吸着過程において吸着構造がどのように変化するか反射高速電子回折(RHEED)パターンを蒸着中にリアルタイムモニタした結果を解析して調べた。RHEEDパターンの各スポット強度の変化から、これらの金属の吸着構造の進化の様子が同じであることがわかった。一方、シリコン(111)表面にビスマスを吸着させたときの初期吸着過程をRHEEDと走査型トンネル電子顕微鏡(STM)を用いて調べた結果、ビスマスの初期吸着過程でも規則的な吸着構造が形成され、その構造はアルカリ及びアルカリ士類金属と同一ではないが類似していることがわかった。また、ビスマス初期吸着過程における電気伝導度の測定から、アルカリ金属で見られた伝導度の跳びはビスマスでは現れないことが明らかになった。
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Research Products
(5 results)