2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740190
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 耕治 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (30400427)
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Keywords | 電荷・軌道秩序 / マンガン酸化物 / 強相関エレクトロニクス / 強相関電子系 / 光学的異方性 / 外場制御 / ペロブスカイト |
Research Abstract |
前年度は室温で電荷・軌道秩序を有するBi_<1-x>Sr_xMnO_3(x〜1/2)という系において、電場により電荷・軌道ドメインを制御することに成功した。これは棒状の電子軌道が寝た面と、それと垂直方向の電気伝導度の違いを利用したドメインコントロールであった。これに対し、平成20年度はさらに、電子軌道の寝た面内(MnO_2面内)における軌道自由度を介した異方性制御を目指した。研究対象として取り上げたのはLa_(1/2)Sr_(3/2)MnO_4という系で、層状にMnO_2面が積み重なった結晶構造をとる為、先のBi_<1-x>Sr_xMnO_3と異なり、MnO_2面内のみに電場を印加して電荷・軌道ドメインの応答を調べることが可能であるという利点を持つ。 通常この系では電荷・軌道秩序をした状態で、MnO_2面内に軌道配置パターンが異なる2種類の電荷・軌道ドメインが存在し、これを偏光顕微鏡でコントラストとして観測出来る。この状態に電場を印加して変化を調べたところ、電場印加により1種類の電荷・軌道ドメインのみが発達することが観測された。一方、これと90°異なった方向に電場を印加してみたところ、もう一方のドメインの発達が観測された。この結果は、それぞれ偏光顕微鏡でコントラストの変化として可視光で観測されており、異方的な電子軌道を液晶のように見立てて、光学的異方性を電気的に制御することに成功したという意義を持つ。またミクロな観点から、放射光X線回折を用いた超格子反射の観測より、電荷・軌道ドメインの変化のチェックも行ったが、光学顕微鏡での測定結果と一致する結果が得られた。
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Research Products
(36 results)