2007 Fiscal Year Annual Research Report
粒子表面の静電場制御による金ナノ粒子の磁性発現機構の解明
Project/Area Number |
19740204
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
山本 良之 Akita University, 工学資源学部, 准教授 (70322120)
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Keywords | 磁性 / ナノ材料 / 物性実験 / 表面・界面物性 / 金属物性 |
Research Abstract |
本研究では有機分子で保護された金ナノ粒子表面の環境を改質することにより、金ナノ粒子に生じる特異な磁気偏極現象の起源を調べ、ナノ粒子の磁性の制御に向けた展開を目的とした。 1.極性をもつ官能基で被覆された金ナノ粒子の合成とその構造、磁気特性評価 金ナノ粒子表面を分子修飾することで金表面に電気2重層を形成し、その電場勾配と金の大きなスピン軌道相互作用によって生じる磁気偏極効果を調べた。被覆分子として、ポリアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン等、官能基に極性をもつ有機分子を使用し、化学的な合成手法によって粒径2〜3nm程度の金ナノ粒子を合成した。被覆分子の極性の違いに依存した磁気特性の変化を調べた結果、極性の強い分子で修飾した試料と極性の小さな分子で修飾した試料の磁化に違いがあることを明らかにした。 2.金ナノ粒子表面のポテンシャル勾配に起因した磁気偏極状態の観測 粒子表面の磁気偏極状態を調べるために、電子スピン共鳴によって試料の磁気偏極状態を調べた。表面ポテンシャル勾配に起因するRashba型スピン軌道相互作用は、伝導電子による共鳴のg値に反映するため、この手法は表面敏感な磁気プローブとなりうる。極性分子で修飾された金ナノ粒子のESRスペクトルはg=2付近にシャープな共鳴を示した他、高調波ピークが観測された。極性の小さい分子と大きい分子で修飾された試料の間でメインピークに明らかなg値のシフトが観測され、磁気偏極の情報が得られることが分かった。今後解析を進め定量的な評価を行う。
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Research Products
(1 results)