2008 Fiscal Year Annual Research Report
スピン・ダイナミクスにみられる量子現象と中性子散乱
Project/Area Number |
19740215
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
益田 隆嗣 Yokohama City University, 国際総合科学研究科, 准教授 (90313014)
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Keywords | 中性子散乱 / 一次元XXZ反強磁性体 / 人工的酸素分子磁性体 / 量子フェリ磁性体 |
Research Abstract |
ミクロな世界では、量子力学の法則に従った独特な現象が存在する。有名なものでは、ボーズ凝縮、朝永ラッティンジャー液体、量子相転移などがあり、専門的には準粒子励起の混成がある。これらの量子現象は、磁場中の低次元磁性体のスピン・ダイナミクスにおいて観測することが可能であるが、従来、磁場の強さ不足のために実験が困難な例が多かった。本研究では、磁場のエネルギースケールに見合った小さな磁気的エネルギーの物質を探索することで、相対的な超強磁場を実現し、その上でスピン・ダイナミクスに現れる種々の量子現象を、中性子散乱技術を用いて観測することを目的としていた。私は、本目的に沿った研究を、一次元XXZ反強磁性体BaCo_2V_2O_8、人工的酸素分子磁性体CPL-1、量子フェリ磁性体Cu_2Fe_2Ge_4O_<13>, など様々な物質において行った。その結果、擬ラッティンジャー流体におけるスピン密度波的秩序状態、軟らかなフレームワーク上におけるエキゾチックなスピンダイマー励起、ランダム磁場下におけるダイマー励起など、興味深い現象を実験的に観測することに成功した。
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Research Products
(10 results)