2007 Fiscal Year Annual Research Report
ブロードバンド強磁性共鳴法によるスピンポンピング効果の研究
Project/Area Number |
19740219
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山口 明啓 Keio University, 理工学部, 助教 (70423035)
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Keywords | ナノ磁性体 / 強磁性共鳴 / 整流効果 |
Research Abstract |
強磁性体中の磁気モーメントが歳差運動すると、周りにある伝導電子も影響を受ける。即ち、マクロ磁化が歳差運動することによってスピン電流が流れる。本研究は、マクロ磁化の歳差運動の振動周波数とスピン電流の相関、磁気異方性依存性、スピン分極率との関係を明らかにすることを目的とした。 当該年度は、マクロ磁化の歳差運動を励起するために、周波数掃引型の局所的強磁性共鳴方法を確立した。 MgO基板上に作製したコプレナーガイドを用いて、Ni_81Fe_19細線に局所的に高周波磁場を印加して、その強磁性共鳴を励起することに成功した。強磁性共鳴検出は、細線両端に発生した直流電圧を測定することによって実現した。高周波磁場を磁性細線に面直に印加した場合と面内に印加した場合は、それぞれ面内の静外部磁場に対して、細線両端に発生する直流電圧振幅はSin2ΘならびにSin2ΘcosΘの角度依存性を示した。この実験結果は、解析的な単磁区モデルと良く一致することが分かった。この実験結果によって、非常に小さい空間で任意の方向に高周波磁場をナノ磁性体に印加して、強磁性共鳴を励起・検出することができるようになった。 この周波数掃引型局所的高周波磁場による共鳴測定手法を確立により、ナノ複合材料の物性評価手法が新しく提供できた。また、次年度以降の研究に対する基礎知識ならびに実験条件の整備が行うことができた。
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