2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740231
|
Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
山崎 玲 (井上 玲) Suzuka University of Medical Science, 薬学部, 助教 (30431901)
|
Keywords | 可積分系 / トロピカル幾何 / 代数幾何 / acobi多様体 / セルオートマトン |
Research Abstract |
有限自由度を持つ可積分系の研究について今年度は以下の成果を得た。 1. トロピカル幾何の応用 : 代数曲線に対するFayの恒等式のトロピカル幾何における類似を考察し、ある種の超楕円トロピカル曲線の場合にトロピカルRiemannテータ関数がFayの恒等式のトロピカル類似を満たすことを証明した。この恒等式を応用して超離散Toda格子の一般解を構成し、前年度に提唱した予想「超離散Toda格子の一般等位集合はトロピカルJacobi多様体に同型である」の証明に成功した。 2. T-systemの周期性について : 量子群の対称性を持つ可解格子模型の転送行列は、T-systemと呼ばれる差分方程式を満たすことが知られている。この方程式に関して1990年代に提唱された「ある境界条件の下でT-systemは周期性を持つ」という予想があるが、本研究ではA, C, D, E型の場合にこの予想を証明した。A, D, E型の場合には、T-systemがクラスター代数に含まれていること、クラスター代数とクラスター圏の関係とを用いて周期性を証明した。この方法はC型のようにDynkin図がsimply-lacedでない場合には素直に適用できないため、C型の場合には全く別の、行列式を使った方法で周期性を示すことに成功した。行列式の方法はA型の場合に予想の別証も与える 3. 前年度に引き続き、Mumfbrd系のスペクトル曲線が最も退化した場合の等位集合と一般化されたJacobi多様体、そしてKdV方程式の有理解との関係を解析した。この研究のため2008年6月にPoitiers大学(フランス)に約二週間滞在し、同大学のVanhaecke教授と議論を行った。
|
Research Products
(2 results)