2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740237
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 健自 Kyoto University, 情報学研究科, 助教 (80303882)
|
Keywords | Deconfined criticality / SU(N)反強磁性ハイゼンベルグ模型 / 量子相転移 / 量子モンテカルロ法 / 拡張アンサンブル |
Research Abstract |
SU(2)反強磁性ハイゼンベルグモデルを拡張したSU(N)反強磁性ハイゼンベルグモデルの量子相転移現象に関して、量子モンテカルロ法を用いた数値的研究を、おこなった。特に、1次元系で2次元系で基底状態がVBSとSU(N)磁性相と異なるSU(3)モデルとSU(4)モデルを取り上げた。SU(3)モデルは、S=1Bilinear-Biquadraticモデルと最も対称性が高い点で一致することがわかっている。本研究の成果として、拡張アンサンブル法のSU(N)モデルへの有効性の確認と、量子相転移付近での相関比の詳細な解析があげられる。SU(N)モデルに対しては、Non-binary loopアルゴリズムという高速な量子モンテカルロ法をすでに提案していたが、本研究では、このアルゴリズムと拡張アンサンブルを組み合わせた手法を開発し適用した。また、鎖間の結合の強さに関する拡張アンサンブルを定義することで、1度のシミュレーションから、絶対零度における任意の鎖間結合の結果を得る事ができた。これらの手法を用いた大規模計算により、SU(3)モデルとSU(4)モデルの量子相転移点付近の精度の高い数値結果を得る事ができた。その結果、両モデルともVBS秩序相関比やSU(N)磁化秩序相関比に大きな有限サイズの補正項が存在し、そのままでの有限サイズスケーリング解析に適さないことがわかった。
|
Research Products
(2 results)