2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740241
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
御領 潤 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 助教 (70365013)
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Keywords | 物性理論 / ゲージ理論 / 超伝導・超流動 / 強相関電子系 / 渦 |
Research Abstract |
2-gap超伝導体には単位磁束量子よりも小さい磁束をもつ渦が2種類存在し、低温領域では2種の渦が互いに閉じ込め合い合体して単位磁束量子をもった通常渦として振る舞うが、温度上昇とともに閉じ込めの作用が弱まり、ある温度を超えると閉じ込めが完全に解けることを示した。強い相互作用と呼ばれるゲージ理論により記述されるクォークの閉じ込め現象との類似が興味深い。 また、これらの2種類の渦を観測する手段として、渦のピン止め現象を利用することが出来るか検討した。適当なパラメタ領域において、ピン止めにより互いに閉じ込め合っている2種の渦を有限距離だけ引き離すことが可能であることが示された。 磁場中ブロッホ電子系のホール伝導度は断熱近似の元ではチャーン数と呼ばれる位相不変量で表され、フェルミレベルがギャップの中に入っている限りある普遍定数の整数倍に量子化されることが知られている。ところが断熱近似を超えたより詳細な計算を行うと、ホール伝導度は量子化値のまわりで微小振動を行うことを示した。この振動はホール電流を駆動する電場を時間の関数として階段関数的にswitch on することにより発生し、その後時間のベキで減衰していくことが示された。 また、ホール伝導度に限らず、断熱近似の下でチャーン数と関連づけられる物理量の一般形に関する考察を行った。
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