2007 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスレーザーを用いた硬X線発生の高効率化と機構の解明
Project/Area Number |
19740246
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡野 泰彬 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 特任研究員 (00393819)
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Keywords | 放射線・X線・粒子線 / プラズマ・核融合 / パルスX線 / レーザープラズマ / 超短レーザー |
Research Abstract |
本研究では、高強度・超短パルスレーザー駆動硬X線源の高エネルギー化(短波長化)および高輝度化を目指し、表面構造ターゲットを用いたレーザーの吸収効率改善と励起高速電子のエネルギーを制御することで、硬X線領域でのX線発生効率向上を実験的に明らかにすることを目的としている。本年度は、以下に示す三項目を重点的に行った。 1. 硬X線分光器および電子スペクトロメーターの開発 2. X線発生の高効率化に向けたベースラインデータの取得 3. X線分光計測による高速電子輸送診断 1. では、ラウエ型分光結晶を用いた硬X線分光器を製作した。計測可能範囲は12-60keVである。また、シンチレーター検出型の小型電子スペクトロメーターを製作した。2. では、モリブデン平板をX線発生用ターゲットとして用い、計測器の動作確認を行うとともにX線発生効率のベースラインデータを取得した。硬X線分光器に関しては、サブピコ秒ガラスレーザー装置(GMIIレーザー、大阪大学)を使用した計測を行い、Mo Kα線(17.5 keV)のシングルショット計測に成功した。さらに、タンタルターゲットにおいてTa Kα線(57.5 ke V)を観測することで、検出エネルギー範囲の確認を行った。また、標準ガンマ線源により感度較正を行ったX線CCDカメラによりシングルフォトンカウンティング計測を同時に行うことで、発生線量の較正を行った。一方、電子スペクトロメーターについては、フェムト秒テラワットレーザー装置(T6レーザー、京都大学)にてX線発生実験を行い、前出のX線CCDカメラによるX線計測との同時計測により放出X線量と電子エネルギー分布の依存性に関するデータを取得した。3. では、硬X線発生に寄与する高速電子のレーザープラズマ中での輪送機構の解明を行うため、高強度レーザープラズマ実験で取得したX線偏光スペクトルの解析を進めた。
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