2008 Fiscal Year Annual Research Report
サブミクロンMeV重イオンの液体照射による二次粒子収量測定
Project/Area Number |
19740247
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
石井 邦和 Nara Women's University, 理学部, 助教 (00397837)
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Keywords | ガラスキャピラリ / マイクロイオンビーム / 二次粒子収量 / PIXE / RBS |
Research Abstract |
2008年度はガラスキャピラリーによってマイクロ径化したイオンビームによる物質分析技術の開発に重点をおいて研究を行った。ガラスキャピラリーを用いるとイオンビームを大気中に容易に引き出せることから、大気圧中におけるPIXE(イオンビーム誘起X線放出分光)及びRBS(ラザフォード後方散乱分光法)の開発を行い、技術的に確立した。これは本研究の目的である二次粒子収量測定において、ガラスキャピラリーを通過したイオンビームのエネルギー分布が重要となるためである。鉛の箔および金箔等のRBS測定により得られた結果によりガラスキャピラリを通過したイオンビームのエネルギー分布は、マイクロサイズのスリットを通過したものに比べ、エネルギー分布が多少広くなる傾向が見られた。またPIXE測定では入間の髪の毛の分析にガラスキャピラリにより引き出したイオンビームが適切であることを発表した。これらの成果は日本物理学会等の複数の学会で発表を行った。また長野県飯山で行われた国際的なワークショップでも口頭発表を行い、世界各国で行われている様々なイオンと絶縁体の相互作用によるイオンビームの細径化に関する議論を行った。現在はこれらの成果を論文にまとめている段階である。また現在は加速器のトラブル及び真空系のトラブルから計画的には少し遅れてしまってはいるが、これまでに購入した物品を用いて二次粒子収量測定実験の準備を進めている段階である。
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Research Products
(3 results)