2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740250
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
彦坂 泰正 Institute for Molecular Science, 極端紫外光研究施設, 助教 (00373192)
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Keywords | イオン-分子反応 / 分子クラスター / 同時計測実験 |
Research Abstract |
本研究は、空間に配向した分子に対して衝突方向と衝突エネルギー(0-5eV程度の低エネルギー)を制御したイオン-分子反応実験を実現し、イオン-分子反応の立体ダイナミクスを解明することを目的としている。ここでは、反応の出発点として分子クラスターを利用することにより、配向した分子とイオンの衝突実験を行なうことを企画している。まずは、この実験を行なうために、現有の電子・イオン同時計測装置の改良を行なった。実際の分子クラスターに対する実験では、電子はしきい電子分析器により観測するが、それに先立ちトロイダル型電子分析器を用いてテスト実験を行なった。ここでは、トロイダル型電子分析器でオージェ電子を観測し、その検出に応じてイオン化領域にパルス電場を印加することにより、イオンを飛行時間型質量分析器に導く。イオンの運動量は、飛行時間型分析器を終端する2次元検出器への到達位置と飛行時間から算出する。希ガスに対して同時計測実験を行なうことにより、パルス電場による運動量観測としては十分な運動量分解能が得られることを確認できた。また、OCS等の分子のオージェ過程について同時計測実験を行なうことにより、この同時計測装置が分子の2価イオン状態の解離ダイナミクスの研究に対しても有用であることを示すことができた。引き続き、この装置にしきい電子分析器と分子クラスター源を導入すべく、シミュレーションや装置の細部の調整を開始した。
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Research Products
(4 results)