2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740265
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
石原 吉明 National Astronomical Observatory of Japan, RISE月探査プロジェクト, 研究員 (80400232)
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Keywords | インフラサウンド / 微気圧変動 / 固体・海洋・大気カップリング / 極地 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度末に南極昭和基地に設置したインフラサウンド観測装置を用いて、インフラサウンドの連続観測を行うとともに、極地という極限環境における観測装置の耐候性能の確認を行った。現地での南極観測隊の越冬隊員による最小限の現状確認と保守作業を依頼していたが、冬期を含めて特に保守作業が必要となる事象は発生せず、冬期のブリザードにも観測システムが耐えうるということが確認された。これにより、今後センサー数を増やし、アレー観測に移行する為の技術的な裏付けがなされ、また、必要な人員も夏季のセンサー展開時のみ人員措置を高ずればよいことが確認された。観測データは、通信衛星を用いたIP回線により国内から極地研究所のネットワークを介してほぼリアルタイムに取得可能な状況が維持されている。本格的なデータ解析はこれからであるが、予備的なデータ解析の結果、昭和基地において、すでに地震観測で検出されている海洋起源と思われている常時微動と対応して、同じ周波数帯に連続的に到達する微気圧変動(インフラサウンド)が検出された。また、エピソディックなインフラサウンドも検出されており、今後地震観測データ等と比較しながら解析を行っていくことで、励起源の特定に至れると考えている。昭和基地において1年間のインフラサウンド連続波形記録が得られ、固体・海洋・大気カップリングにおける波動伝播の基礎データが得られたことが特筆すべき成果である。
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Research Products
(10 results)