2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740268
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西田 究 The University of Tokyo, 地震研究所, 助教 (10345176)
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Keywords | 地球自由振動 / 大気音波 / 常時地球自由振動 / 音響結合 / 大気圧観測 |
Research Abstract |
昨年度、Rayleigh波だけではなく、Love波も定常励起されている事が明らかとなった。この観測事実は、海洋波動と固体地球の地形カップリングが重要である事を示唆している。本年度は、より定量的に地形カップリングのメカニズムを周期50秒より長周期の帯域で見積もった。その結果、海洋波動は同程度の波長を持つ海底の凸凹を通して効率的にLove波Rayleigh波を励起できる事が分かった。見かけ上海底上にシングルフォースが働いていると近似することができ、見積もられた励起振幅は観測された振幅と同程度であることが分かった。 地球内部の構造を知るには、地震波の伝わり方が重要な手がかりとなる。これまでは、"地震"の引き起こした地面の震動を観測する事によって、全地球的な(=地球深部までを含めた)地震波速度構造が調べられてきた。いままで、地震以外が引き起こした振動である常時地球自由振動から、全球的な地球内部構造を推定した例は存在しない。本研究では17年(1986-2003)という長期にわたる質の良い常時地球自由振動のデータを使う事によって、精度の問題をクリアーし、相互相関解析という手法を用いて、観測点間を伝わる表面波の伝播を捉える事に成功した。伝播の特徴から、全球的な地球内部構造を推定することに、初めて成功した。今後この手法は、地球ほど地震が起きていない他の惑星の内部構造を調べる上で、有力なツールになるかもしれない。
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