2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740271
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 崇夫 The University of Tokyo, 地震研究所, 助教 (00359192)
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Keywords | 比抵抗構造 / MT法 / galvanic distortion / Phase tensor / MPT法 / インバージョン |
Research Abstract |
地球科学の分野で幅広く利用されている地下比抵抗構造探査法「MT法」の最大の欠点であるgalvanic distortionの影響を除去する実用的な方法はこれまで考案されず、この影響を除去するのは実際上不可能とされてきた。本研究の目的は、Phase tensor (Caldwell, et. al.,2004)のデータセットを複数の観測点分を同時に解析することでgalvanic distortionの除去を行うという、高精度なMT法の新しい解析手法(Multi Phase Tensor法,MPT法)を確立することである。H19年度は、本解析手法の構築および、それに基づく数値インバージョンコードの開発を重点とした。成果としては、手法構築を予定通り終えた。予想通り、元々のデータの自由度をほとんど減らすことなく(1観測点につき4データ分減少するのみ)、galvanic distortionの影響を受けない3次元比抵抗構造解析を行うことができることがわかった。また実際に解析に使用するMPT法に基づく3次元比抵抗構造解析インバージョンコードのプロトタイプ版の開発に成功した。またさらに進んで、実際に南九州における観測で取得されたULF-MTデータ69観測点分への適用を開始し、インバージョンコードの高度化と並行して解析を進めている。なお、成果の一部は、昨年7月にイタリア・ペルージャ大学で行われた、IUGG2007にてその成果報告を行った。
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