2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740271
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 崇夫 The University of Tokyo, 地震研究所, 助教 (00359192)
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Keywords | 比抵抗構造 / MT法 / galvanic distortion / Phase tensor / MPT法 / インバージョン |
Research Abstract |
電磁場探査において電場観測値を歪めてしまうgalvanic distortionの影響を受けないMT phase tensorを用いた比抵抗構造探査法の構築を目的としているが、平成20年度は解析コードの高度化と解析の実データへの適用を計画した。実データは九州中南部において取得されたデータを使用した。その結果、霧島火山帯が低比抵抗であることがわかり、流体および高熱異常の存在が示唆された。また、その北側に位置する人吉盆地は火山が存在せずこれまで非火山性地域と考えられてきたが、その下の構造も低比抵抗であることがわかった。地球化学による同位体等の研究からもこの地域は火山性を示していることが指摘されはじめており、本研究の解析結果はその学説を支持するものとなった。 また、解析コードの高度化として、インバージョンコードの中で、最も重要な部分を占めるフォワード計算について飛躍的な高速化をおこなった。本計画で適用している積分方程式法は、従来計算機資源(メモリー、計算時間)を大量に使用する必要があると考えられてきたが、本研究で適用した変数分離の手法を利用すると、従来のコードにくらべ、計算機資源を2桁程度減らすことができ、世界最高速級の計算コードを開発することに成功した。 なお、成果の一部は国際学会(The 19th International Workshop on EM Induction in the Earth)において成果発表を行った。
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