2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740271
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 崇夫 The University of Tokyo, 東京大学地震研究所, 助教 (00359192)
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Keywords | 比抵抗構造 / MT法 / galvanic distortion / phase tensor / MPT法 / インバージョン |
Research Abstract |
地球科学の分野で幅広く利用されている地下比抵抗構造探査法「MT法」の最大の欠点であるgalvanic distortionの影響を除去する実用的な方法はこれまで考案されず、この影響を除去するのは実際上不可能とされてきた。本研究の目的は、Phase tensor (Caldwell et al., 2004)のデータセットを複数の観測点分を同時に解析することでgalvanic distortionの除去を行うという、高精度なMT法の新しい解析手法(Multi Phase Tensor法,MPT法)を確立することである。H21年度は解析コードの高度化の完了をおこなうことを目的とした。具体的にはインバージョンの高速化・省メモリー化を行った。インバージョンはなるべく順計算の回数を減らすために、通常行われるガウスニュートン法を用いるのは避け、準ニュートン法を用いることにした。これにより同時に、ヘシアン行列を陽に使う必要がなくなるため、大幅に削減することに成功した。また、このコードを実データに適用したところ、南九州の比抵抗構造として、霧島火山群下は低比抵抗であることがわかった。このことにより、霧島火山群下は、流体あるいは熱異常等の高伝導体が存在することが確かめられ、火山噴火活動はこれらに起因するであろうことが示唆された。なお、研究成果の一部である、インバージョンコードの高度化については、ハンガリー・ショプロンにおけるIAGA2009年総会で報告を行った。
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