2008 Fiscal Year Annual Research Report
複雑地形の影響を受けるメソ擾乱の極値予報に関する超高解像度モデリング
Project/Area Number |
19740287
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹見 哲也 Kyoto University, 防災研究所, 准教授 (10314361)
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Keywords | メソ気象擾乱 / メソ気象モデリング / 気象予報 / 極値予報 / 気象災害 / 集中豪雨 / 突風 / 複雑地形 |
Research Abstract |
初年度(平成19年度)に構築した次世代メソ気象モデルWRFによる複雑地形における気象擾乱のシミュレーションシステムを用いて、集中豪雨や突風をもたらした気象擾乱の高解像度数値シミュレーションを実施した。梅雨前線に伴う2004年7月新潟・福島豪雨、2008年7月神戸市都賀川増水事故をもたらした局地豪雨、冬季の低気圧通過に伴い生じる日本海沿岸地域での強風を解析対象として選択した。高分解能標高データを用いることにより、より現実的なモデル地形を作成した。計算格子間隔を細密化することにより、気象擾乱に伴う強雨・強風の微細構造がより詳細に表現することができた。地上近傍での強風は地形の影響を強く受けるため、高分解能地形表現による高解像度シミュレーションの実行によって、より微細な時空間変動のパターンを再現することができた。特に、竜巻など微細規模気象擾乱に起因する強風については、モデル内では擾乱の構造が高解像度で再現されるため、それに対応した強風も現実的な数値を表現することができ、かつ地上近傍での風速分布の微細性も表現することができた。一方、強雨事例については、高解像度計算の利点は必ずしも明確ではなかった。それは、強雨は積乱雲規模の現象に対応して生じるため、数100m程度の地形の微細性が積乱雲の発達に影響しさらに強雨分布に影響を及ぼすことを定量的に評価することが困難であるためであると考えられる。強雨の定量予測手法については今後の課題である。研究の成果は国内外の学会等において研究発表し、学術雑誌等において論文として発表した。
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