2007 Fiscal Year Annual Research Report
複数衛星観測による深内部磁気圏の磁場構造変化とイオン組成変化に関する研究
Project/Area Number |
19740303
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
能勢 正仁 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (90333559)
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Keywords | 地球電磁気 / 内部磁気圏 / 磁場変動 / 宇宙天気 |
Research Abstract |
この研究は、静止衛星軌道高度より内側を飛翔する人工衛星(MDS-1衛星、Cluster衛星)による磁場・粒子データ、およびIMAGE衛星によるリングカレント粒子の撮像データを解析し、「磁気嵐時における内部磁気圏の磁場構造の変化とそれがリングカレントイオン組成の変化に及ぼす影響」を明らかにすることを目的とする。具体的には次のような3つの研究課題を設定し、それぞれの設問の解決を目指す。研究課題(1)サブストームに伴う磁場双極子化は、内部磁気圏のどの程度内側まで観測されるのか?(2)磁場双極子化が、磁気嵐中にリングカレント領域においても起こりうるのなら、その時の粒子加速はイオン種依存性があるのか?(3)その時にリングカレント全体のイオン組成に違いが生じるのか? 平成19年度は、まず研究課題(1)に着手した。2002年の2月から12月の期間にMDS-1衛星が静止衛星軌道より内側で観測している時間帯に注目した。その結果、L=3-4の深内部磁気圏領域であっても磁場双極子変化が頻繁に観測されることを確認した。このとき、IMAGE衛星HENA撮像器で観測されたリングカレント領域では、同時に粒子フラックスの増加が見られた。このことは、内部磁気圏における磁場双極子化がローカルな粒子の加速に重要な役割を果たしていることを示している。
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