2007 Fiscal Year Annual Research Report
高マッハ数無衝突衝撃波における散逸機構としての微視的不安定性
Project/Area Number |
19740304
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松清 修一 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 助教 (00380709)
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Keywords | 無衝突衝撃波 / 微視的不安定性 / 電子加熱 / 衝撃波再形成 |
Research Abstract |
高マッハ数無衝突衝撃波遷移層の一部を模擬して、周期境界条件を仮定したフル粒子シミュレーションを様々なパラメータに対して行い、そこで励起される波動の特性を調べた。地球磁気圏衝撃波や惑星間空間衝撃波の典型的なパラメータ領域では、変形2流体不安定性(MTSI)と電子サイクロトロン-ドリフト不安定性が励起されるが、これらの微視的不安定性に伴う電場の飽和レベルは MTSI の方が高い。MTSIは主に電子の沿磁力線加熱に寄与するが、温度上昇は最大で初期の値の1桁以上となり、非断熱的加熱が有意に起こることが示された。 シミュレーションで見られた電子の温度上昇は主に静電場によるものであると仮定して、静電近似した準線形方程式のモーメントを取って得られる温度の時間発展方程式を議論した。様々なパラメータ依存性を調べたところ、電子温度の飽和レベルはプラズマベータ値や電子プラズマーサイクロトロン周波数比にはよらず、衝撃波のマッハ数の対数にほぼ比例することが分かった。 また、MTSIが支配的となるパラメータ領域に対して1次元シミュレーションで衝撃波を再現し、衝撃波再形成過程の時間周期を計測した。MTSIの成長率および飽和レベルは衝撃波角(衝撃波法線ベクトルと上流磁場のなす角)に依存するが、不安定性が強い時ほど衝繋波再形成周期が長いという結果が得られた。これは過去の研究結果と異なっており、支配的な不安定性の種類によって、衝撃波再形成過程への寄与の仕方に違いがあることを示唆するものである。今後理由の解明を目指す。
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Research Products
(7 results)