2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740306
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
中野 慎也 The Institute of Statistical Mathematics, モデリング研究系, 外来研究員 (40378576)
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Keywords | 磁気嵐 / データ同化 / リングカレント |
Research Abstract |
本年度は,内部磁気圏におけるリングカレントイオンの数値モデルと人工衛星による高エネルギーイオンの直接観測データの情報とを組み合わせ,現実の内部磁気圏でリングカレントイオンがどのような空間分布をしており,それがどう変化するのかを量的に正しく推定するためのプログラムを開発した.開発に際して問題になったのは,磁気圏などのような非線型性を持つシステムに対して逐次データ同化を適用する際に,従来のアルゴリズムでは多大な計算コスト必要となってしまう点であった.そこで,既存の粒子フィルタと呼ばれるアルゴリズムを基にmerging particle filterという新たなアルゴリズムを考案し,比較的効率的に衛星データの情報をモデルに同化することを実現した.この新しいアルゴリズムは,磁気圏のみならず,地球科学の様々な領域のモデリング研究においても,観測に非線型性が含まれる問題などの従来の方法でうまく扱えなかった問題に対してデータ同化を行うことができる有効な手法となる可能性があり,考案の意義は大きいものと考えている.現在は,開発したプログラムを,シミュレーションから生成した擬似データを用いて評価している段階である.現在のところ,多数の人工衛星が磁気圏全体に均等に分布しているという理想的な状況であれば,内部磁気圏のイオン分布に加え,電場分布がうまく推定できることは確認している.今後,どのような配置で衛星が分布していれば推定がうまくいくのかを詳細に検討していく予定である.
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Research Products
(7 results)