2009 Fiscal Year Annual Research Report
複雑な振動流下における三次元ウェーブリップルの自己組織化に関する実験的研究
Project/Area Number |
19740309
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関口 智寛 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (90400647)
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Keywords | 自己組織化 / 浅海環境 / 水理実験 / ベッドフォーム / ladder-back ripple / interference ripple |
Research Abstract |
本年度は(1)直交する二成分の正弦振動の周期が等しい場合について,ベッドフォームの三次元性と楕円軌道の長径・短径比の関係を明らかにすること,(2)振動周期が異なる場合について,特徴的な三次元パターンを見いだすことを目的とした二方向振動板実験をおこなった.実験の結果,以下が明らかになった.(1)規則的三次元リップルの発達には各振動成分がリップル形成に十分な速度(ψ〓2,ここにψはモビリティーナンバー)を有する必要性がある.(2)(1)の条件を満たし,かつ振動周期が比較的近い場合にはinterference ripple(IR)が発達する.特に円軌道の振動によりIRが発達する場合,リップル波峰で囲まれる領域の直径は,円軌道の直径の1/3となる傾向がみられる.(3)(1)の条件を満たし,かつ各振動周期が異なる場合にはladder-back ripple(LBR)が形成される.この場合,リップル波峰は各振動成分と直交し,各波長は各振動成分の軌道直径の約2/3となる.これらの実験結果から,三次元リップルの形成は,干渉波下で生じる複雑な二次元振動流に起因し,特にLBRの形成には周期の異なる波の干渉が重要であることが示された.申請者の知る限り,LBRの形成に成功した研究はこれまでになく,今後の三次元リップル研究の基礎を成すものと期待する.
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