2007 Fiscal Year Annual Research Report
超低地温勾配域の形成過程と沈み込みメタソマティズムの総合研究
Project/Area Number |
19740312
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
辻森 樹 Okayama University, 地球物質化学研究センター, 助教 (00436833)
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Keywords | 高圧変成岩 / 沈み込み帯 / 超低地温勾配域 / 沈み込みメタソマティズム |
Research Abstract |
本申請課題は造山帯に存在する超低地温勾配域の環境を経した天然の海洋地殻起源の超低温高圧変成岩類について,スラブの年齢決定に基づき何が超低地温勾配の形成をコントロールしているのかについて検証し,さらに,超低温含水スラブの脱水の「反応先端」で何が起こっている現象を地質学的に直接解析する。そして,超低地温勾配域に特徴的な沈み込みメタソマティズム(流体に伴う物質移動)について実像を把握し,「冷たい」沈み込み帯の水・物質循環に関する新しいモデルの提唱することを目的とする. 研究初年度(平成19年度)は,超低温高圧変成岩類に記録された地質イベントの年代決定の見直しのため,超低地温勾配域の環境を経験した北米フランシスカン帯の変成岩を例に徹底した高圧変成鉱物脈の地質学的・岩石学的な研究を行った.そして,低温高圧変成鉱物脈形成と同時に変成流体から直接沈殿した微細ジルコン(10〜15ミクロン)について,高分解能二次イオン質量分析装置を用いてU-Pb年代測定することで,超低地温勾配域の環境下の流体活動の年代決定が可能になった.また,ジルコンの年代決定に加えて,低温高圧変成鉱物脈の変成鉱物について組織観察に基づいたミクロンスケールの微量元素及びリチウム同位体比の累帯構造の検討により,沈み込みメタソマティズムに関与した流体について地球化学的な束縛が可能となった.さらに,これらの基礎成果を申請課題の主旨に沿って発展・展開させるため,イタリア及びスイスのアルプス変成帯において,超低温高圧変成岩類について試料採取を行い,記載岩石学的な研究を進めた.
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[Journal Article] High-pressure belts of central Guatemala: the Motagua suture and the Chuacus complex2007
Author(s)
Martens U., solari L., Sisson V.B., Harlow G.E., de Leon R.t., Ligorria J.P., Tsujimori T., Ortega F., Brueckner H., Giunta G., Ave Lallemant H.
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Journal Title
Field Trip Guide. 2007 Field Workshop of IGCP 546 "Subduction Zones of the Caribbean"
Pages: 1-32
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