2007 Fiscal Year Annual Research Report
地形・地層発達過程のマルチスケール干渉現象:流路発達モデル実験の時系列相関解析
Project/Area Number |
19740313
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
遠藤 徳孝 Kanazawa University, 自然科学研究科, 助教 (60314358)
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Keywords | 室内地形発達実験 / 土砂輸送 / チャネル発達 |
Research Abstract |
本年は主に浸透水型の実験水槽を用いた。浸透水型の実験水槽を用いる利点は、管から表層水を直接流入する場合や人工雨と比べて、人為的な不均一性が生じにくい点である。初期状態の地形は一定勾配の平面とした。地下水位もしくは浸透水の圧力の大小は、実験永槽の上流に設置したタンクの水位を変えることで実現するが、1回の実験中は一定に保つ。初期勾配や地下水位および実験領域内の場所によってチャネルの形態は異なり、種々の様相が見られるが、まずavulsionと呼ばれる流路変化様式に注目した。Avulsionは、チャネルの連続的な側方移動とは異なり、ある時点で水が流れていなかった場所(流路でなかった場所)に新たに流路が生じること指す。新たな流路が発生する際、古い流路が直ちに消滅する場合と、しばらく共存する場合との2つのケースがあることが野外観測からも知られているが、本研究においても実験領域で両方のケースが見られた。新しい流路と既存の流路がアクティブな状態で共存する場合、河川流は分流する。これは、一見すると網状河川に見えるが、チャネル内に洲ができた結果分流して見えるのとは違い、このような形態の河川はanastomosing riverと呼ばれる。Anastomosing riverの発生と関連の深いavulsionの頻度は、実験では、傾斜にはよらず、流域(実験領域)全体の流量が大きいほど、高かった。続いて、海水準を一定速度で低下させる系での地形発達を観察した。ここでは、谷頭浸食の速度との関連を調べたが、はっきりした相関は見られなかった。その他、種々の土砂移動形態による地形発達の実験も合わせて行った。
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