2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740323
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
八久保 晶弘 Kitami Institute of Technology, 未利用エネルギー・研究センター, 准教授 (50312450)
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Keywords | ガスハイドレート / 潜熱 / 比熱 / メタン / エタン |
Research Abstract |
水底(海底・湖底)環境の温度・圧力下で堆積物中に存在する天然ガスハイドレートの潜熱を求め、天然ガスハイドレートの生成・維持・解離過程について、熱力学的観点から解明していくのが本研究の目的である。平成19年度では、ロシア・バイカル湖の湖底堆積物中で発見されたメタン・エタンを主成分とする混合ガスハイドレートに焦点を当て、解離熱のガス組成依存性を求めた。まず、任意のガス混合比を実現しハイドレートサンプルを作ることのできる圧力容器システムの開発を行ない、核生成までをコントロールできる方法を考案した。これを用いてサンプルを生成し、現有設備であるTian-Calvet式双子型熱量計を用いて解離熱の直接測定が行なわれた。その結果、エタンの割合とともにサンプル1mol当たりの解離熱は増加すること、また測定値は純粋なメタンおよびエタンハイドレートの解離熱文献値の中間をとることが明らかにされた。混合ガスハイドレートの解離熱が求められたのは本研究が最初である。メタン・エタン混合ガス系ではガス組成によって結晶構造が変化し、解離熱についてもガス組成に対する不連続性の存在が予想されるため、平成20年度の継続実験課題となって残っている。また、メタン・エタン混合ガスハイドレートの解離時には熱流量グラフに2つのピークが見られ、2つの解離ステージが存在するサンプルが多かった。その理由として、異なる結晶構造のハイドレートの混合である可能性、あるいは解離時にエタンに富む新たなガスハイドレート生成が同時に行なわれ、それが解離して2つ目のピークを作った可能性が考えられる。
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Research Products
(8 results)