2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740332
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
平尾 直久 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 利用研究促進部門・極限構造チーム, 研究員 (70374915)
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Keywords | 金属物性 / 固体地球物理 / 地球・惑星内部構造 / 地球内核 / 放射光 / 超高圧力 |
Research Abstract |
本年度は,地球中心部に相当する圧力条件365GPa(〓365万気圧)を実現するための超高圧力発生技術を開発し,その極端条件下における地球内核物質の圧縮特性を調べた.300GPa以上の圧力領域実現のため,超高圧力発生装置としてダイヤモンドアンビルセルを利用し,最適なダイヤモンドアンビルの品質およびその先端径の選定を行った.その結果,ダイヤモンドアンビルに超低蛍光ダイヤモンドを用い,その先端径を30ミクロンより小さくすることで,地球中心部に相当する365GPaまでの圧力発生が可能となった.また高輝度X線源である放射光施設SPring-8にて,ダイヤモンドアンビルセルを用いたその場X線回折実験を純鉄およびニッケルに関して実施し,地球中心圧力である365GPaまでのX線回折パターンを取得することに成功した.取得したX線回折パターンから圧力360GPaにおける純鉄およびニッケルのウィグナーザイツ半径を計算し比較した結果,その違いはおよそ05%であり,常圧における差2.3%に比べ非常に小さくなっており,鉄とニッケルの大きさはほぼ同じになっていることが明らかになった.また地球中心部の圧力領域まで密度データ取得できたことによって,地球内核条件における様々な組成の鉄ニッケル合金の密度を圧力の外挿なしに見積もることが可能となった.さらに鉄,ニッケルおよび圧力マーカーである白金に関して,高圧下でのX線回折線のブロードニングに基づいた一軸応力の解析を試みた結果,一軸応力およびその圧力依存性は,鉄,ニッケル,白金の順で大きくなることがわかった.地球中心部までの圧力発生技術の開発により,地球中心核を物質科学的に議論する上で,極めて意義のある地球中心核の構成物質に関する密度および物性を測定できた.
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Research Products
(6 results)