2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ金型・小型高度機械部品のための細穴内面プラズマコーティング法の開発
Project/Area Number |
19740343
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上坂 裕之 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 講師 (90362318)
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Keywords | DLC / マイクロ波 / 内面 / 微小口径 / 高アスペクト比 |
Research Abstract |
まず実際の微小口径内面を有する機械部品への適用に先立って,実験室レベルで容易に取り扱える微小口径試験片として1/4ステンレスレス鋼製パイプ(内径4.5mm)内面ヘのDLC成膜技術の確立を目指した.その結果,成膜条件の改良により長さ50mm,つまりアスペクト比が10を超えるパイプに対して全面にDLC成膜ができるようになった.ここで,DLC成膜の確認には,(1)DLCにおいて典型的に見られるID, IGピークを持つブロードなラマンスペクトル,および,(2)押し込み硬さで10GPa以上の硬度が,管軸方向に等間隔な5点において計測されることを基準として用いた.しかしながら全面成膜した管においても,軸方向の膜厚分布には依然大きなばらつきがあり,15分の成膜で最薄部1μm,最厚部7μmであった.成膜ガスを流しながら成膜していたため管内に大きな圧力差ができたことがその大きな要因と考えられ,次年度はガスを封じ切って成膜することで,軸方向の膜厚分布の均一性向上を目指す.また,有限要素法を用いた電磁波伝播解析を行い,パイプ内面に生じるシースと管内高密度プラズマとの境界に沿って表面波が伝播しうることを明らかにした.同シミュレーション上で投入電磁波の周波数を0.5〜6.0 GHzと変化させたところ,プラズマ密度一定という近似下において,低周波ほど管軸方向の電磁波の減衰が少ないという結果が見られた.プラズマの長尺・均一化を目指すにあたって大変重要な知見であり,次年度は電磁界からの投入パワーによってプラズマ密度が変化するSelf-consistentな解析を行い,電磁波周波数が管内プラズマの軸方向均一性に与える影響を検証する.
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