2007 Fiscal Year Annual Research Report
廃熱を高効率で電力に変換する酸化亜鉛系薄膜熱電素子の創生
Project/Area Number |
19740345
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三沢 達也 Saga University, 佐賀大学・理工学部, 助教 (70346873)
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Keywords | 放電プラズマ焼結法 / 熱電変換材料 / 酸化亜鉛セラミックス / 金属酸化物薄膜材料 |
Research Abstract |
平成19年度は廃熱を高効率で電力に変換する薄膜熱電素子の実現の為に、放電プラズマ焼結法(SPS法)を用いた酸化亜鉛系セラミックスの焼結、焼結メカニズムの解明及び最適化の為に、試料内部電流の磁気プローブを用いた非接触・定量的計測と焼結挙動との比較を行った。SPS法による焼結では、試料内部に流入する電流や材料粒子間に発生したプラズマによって焼結が促進されると予想されることから、電流を定量的に計測することはPCS法の焼結メカニズムを明らかにする上で非常に重要である。 まず、高温高圧環境下での電流計測を実現する為の計測システムの開発を行った。焼結容器内部に耐熱性の磁気プローブを設置し、焼結中の試料内部電流によって発生する磁場を検出し、数値積分することで内部電流を定量的に評価した。内部電流量が正確にわかっているグラファイト材料を用いて計測システムの較正実験を行い、定量的に電流計測が可能であることが確認された。次に、酸化亜鉛系材料を焼結した場合の試料内部電流と焼結挙動との比較を行った。焼結の進展に伴って全焼結電流の数〜数十%が試料内部に流れることが判明した。また、焼結条件によって試料内部電流量が大きく変化し、同時に焼結試料の内部構造が大きく変化することが明らかになった。この結果より、試料内部電流を計測、制御することによって、試料の焼結挙動を非破壊でその場観測し、最適化を図ることが可能であると予想される。以上の研究成果に関連して、論文誌への投稿及び国際会議での招待講演(T. Misawa, et. al.: 7th Pacific Rim Conference on Ceramic and Glass Technology, Shanghai, China, (2007))を行い、詳細な研究結果をJournal of Materials Scienceへ投稿中である。
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Research Products
(5 results)