2008 Fiscal Year Annual Research Report
廃熱を高効率で電力に変換する酸化亜鉛系薄膜熱電素子の創生
Project/Area Number |
19740345
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三沢 達也 Saga University, 理工学部, 助教 (70346873)
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Keywords | 放電プラズマ焼結法 / 熱電変換材料 / 酸化亜鉛セラミックス / 金属酸化物薄膜材料 / プラズマスパッタリング |
Research Abstract |
平成20年度は前年度に引き続いて廃熱を高効率で電力に変換する薄膜熱電素子の実現の為に、(1)放電プラズマ焼結法(SPS法)を用いた酸化亜鉛系熱電材料の最適化と放電プラズマ焼結法の焼結メカニズムの解明、及び(2)複数ターゲットを用いたプラズマスパッタリングによる酸化亜鉛系熱電材料薄膜の生成を目指した。SPSプロセスの焼結メカニズムをプラズマ成膜に応用することで、高品質、短時間成膜が可能になると期待される。(1)酸化亜鉛系熱電材料の生成と最適化では、前年度に開発した磁気プローブによる試料内部電流のその場計測システムとSEM、XRDなどの材料評価法を併用し、酸化亜鉛粉末焼結中の試料内部電流と焼結挙動との因果関係の解明を行った。焼結の進展に伴って試料内部電流が増大することから、試料自体のジュール加熱、プラズマの発生、エレクトロマイグレーションの発生などによる焼結の促進が予想される。また、nm粒径の酸化亜鉛粉末による焼結体に対してXRDによる内部構造解析を行ったところ、内部電流及び加圧力の方向に依存する結晶構造の特異な選択的配向性が観測された。(2)酸化亜鉛系高効率熱電材料薄膜の生成に関しては現在までのところ、各種解析に十分な膜厚、特性を持った薄膜の生成に至っていない。原因としては、通常のRFスパッタリングを用いていることからZnO, Al203ターゲットからのスパッタ粒子が十分ではないことなどが考えられ、現在、RFマグネトロン放電を用いた方法への変更を行っている。以上の研究成果に関連して、論文誌への論文投稿を行った。(T. Misawa et. al.: Journal of Materials Science, Vol.44 (2009), pp.1641-1651 ; DOI 10.1007/s10853-008-2906-5.)
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Research Products
(5 results)