2008 Fiscal Year Annual Research Report
開放系粒子シミュレーションによる磁気リコネクションのダイナミクスの研究
Project/Area Number |
19740346
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
大谷 寛明 National Institute for Fusion Science, シミュレーション科学研究部, 准教授 (90332189)
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Keywords | 磁気リコネクション / 粒子シミュレーション / 開放系境界条件 / 粒子運動論効果 / プラズマ不安定性 / バーチャルリアリティ |
Research Abstract |
無衝突磁気コネクションは高温プラスマで観測される急速なエネルギー開放現象の基礎的なプロセスである. しかし, エネルギー解放機構や粒子加速機構などの詳細には未解明な部分がある. 本研究では, 粒子運動論効果と様々なプラズマ不安定性による電流層の力学発展を調べるため, プラズマが外部と自由に出入りする開放系モデルを用いた3次元雷磁粒子シミュレーションを実行する. このシミュレーションの中で, 磁場拡散領域における微視的な物理を調べ, 磁場拡散過程を担う電気抵抗の正体を明らかにする. これらの解明とともに, 磁気リコネクションにおけるダイナミクスを調べ, エネルギー解放機構の理解を目指す. 磁気リコネクション現象を解析するために, 物理モデルとして陽解法による開放系3次元電磁粒子シミュレーション手法を採用した. 本年度は、これまでに得られたシミュレーション結果について解析的アプローチを行い, また, 没入型3次元バーチャルリアリティ装置を使った解析を行った. これまでの結果で, イオンの磁場凍結条件を破るのは, イオンのメアンダリング運動による圧力非対角成分の励起が原因であるとこれまでの粒子シミュレーションで示唆された. この関係について, 簡単なモデルによってメアンダリング運動と圧力非対角成分の励起の関係を示した. また, 没入型3次元バーチャルリアリティ(VR)装置CompleXcopeで電磁粒子シミュレーションの結果を表示するソフトウェアを開発し, リコネクションのシミュレーション結果をVR空間で解析した. その結果, イオンのメアンダリング運動と加熱機構の間の強い相関を明確に示すことができた.
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