2009 Fiscal Year Annual Research Report
電子バーンシュタイン波加熱用入射ミリ波の反射波計測の研究
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19740347
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
伊神 弘恵 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 助教 (10390634)
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Keywords | 加熱計測 / 電子バーンシュタイン波 / 高密度プラズマ |
Research Abstract |
プラズマ中を伝播する静電波の一つである電子バーンシュタイン波は、プラズマ遮断、右手及び左手サイクロトロン遮断、高域混成共鳴層が近接して存在する領域において電磁波とモード結合する。電磁波と電子バーンシュタイン波間のモード変換の性質は、近接領域に近づいていく電磁波と近接領域から離れて行く電磁波モードの散乱行列成分によって記述される。本研究では大型ヘリカル装置において電磁波の反射波計測により散乱行列成分を実験的に取得し、効率良く電子バーンシュタイン波を励起するための電磁波の入射方向、偏波を決定する手法を検討することを目的としている。このため本研究では光線追跡を用いて実際のプラズマ実験配位におけるモード変換領域を探し、その領域で波動方程式を解いて数値的に散乱行列を求める計算コードを開発した。また、光線追跡をモード変換後の電子バーンシュタイン波の伝播と吸収まで扱えるように拡張した。その過程で、現在使用している基本サイクロトロン共鳴加熱周波数帯の77GHzでは、カットオフ密度をわずかに超える中心密度のプラズマをターゲットプラズマにした場合でもモード変換領域がプラズマの周辺部のヘリカルコイル近傍にあるため、モード変換後直ちにドップラーシフトしたサイクロトロン共鳴吸収を受けてしまうのでプラズマ中心部の加熱は難しいことがわかった。むしろ超高密度コアプラズマ(SDC)をターゲットプラズマにし、第二高高調波周波数帯に使用周波数を上げてモード変換領域をプラズマ中心部に近くして、中心部付近の加熱を試みる方が良いことがわかった。また、LHDの実験配位における強磁場側からの異常波入射による電子バーンシュタイン波加熱を試みた実験の解析から、最外殻磁気面より外側の高域混成共鳴層におけるモード変換解析の必要性が示唆された。本研究で開発した数値計算コードの応用によりこのモード変換解析が可能である。
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