2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740348
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
吉村 信次 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 助教 (50311204)
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Keywords | プラズマ / 流れ / レーザー誘起蛍光法 / 粘性 / 方向性プローブ / HYPER-I装置 / プラズマホール |
Research Abstract |
本研究の目的は、磁化プラズマの実効的粘性係数を円柱プラズマ中に形成される渦の流速場から実験的に決定することにある。軸対称円柱プラズマでは径方向の流れは粘性と衝突によって駆動されることから、無衝突近似が可能な低圧放電プラズマの径方向流速を計測することで実効的粘性係数が決定できる。核融合科学研究所のHYPER-I装置を用いて生成したアルゴンプラズマにおいて方向性ラングミュアプローブ(DLP)計測を行った結果、イオンマッハ数0.1程度の有意な径方向流れが観測され、この場合の実効的な粘性係数が古典粘性より二桁大きな異常粘性であることがわかった。プラズマの運動量の本部分はイオンが担っているため、本研究ではイオン流体方程式を用いて解析を行った。電子を含めた二流体的な取扱いに関しては今後検討する必要がある。流速の絶対値計測に関しては、昨年度から導入したレーザー誘起蛍光(LIF)、ドップラー分光システムについて受光系の改良を行い、S/N比を改善することができた。その結果、密度ホールを伴う渦構造(プラズマホール)が形成されているヘリウムプラズマ中に不純物として10%以下混入させたアルゴン準安定イオンのLIFスペクトルを取得することができた。観測されたLIFスペクトルのピークのドジプラーシストから決定した流速場分布において。一部DLP計測との不一致が見られた。この理由としてLIFスペクトルの歪み(ガウス分布からのずれ)が考えられる。より狭帯域の半導体レーザーを用いたLIFによる分布関数の直接計測によって、本研究で観測されたLIFスペクトルの非対称性が検証できると考えている。
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