2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁性伝導体の全ての相互作用パラメータの分子軌道法による厳密計算と分子設計への適用
Project/Area Number |
19750005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川上 貴資 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (30321748)
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Keywords | 強相関電子系 / 磁性 / スピンエレクトロニクス / 超伝導材料・素子 / 分子性固体 |
Research Abstract |
平成21年度は、前年度に引き続き相互作用パラメータに関する研究を行った。J,J'に着目した。 従来より分子軌道法を用いて有効交換積分値(J)を見積もることで、有機強磁性体や有機超伝導体の解析を進めてきた。しかし、これらの学際分野が深化するにつれて、ノンコリニアー的スピンの取り扱いなど、次のステップの有効交換積分値の計算手法の開発が急務となってきた。そこで、拡張した有効交換積分値(J')を定義し、障害なくあらゆる対象系にて計算可能とした。具体的には、スピンの傾きを取り扱う分子軌道法の新手法のGHF,GDFT法が必須である。しかしその解にローカルミニマムが多数発生し、真の解を得るのが非常に困難である。これはスピンの自由度を解放したことでの任意性の増大が原因である。解決策として、化学的洞察に基づいたノウハウの蓄積が急務である。種々の磁性伝導体にてJ'の高精度計算を実行した。 特に、スピンフラストレーションが内在している分子性結晶では、この真価を十二分に発揮できる。但し、スピンフラストレーションでは、スピンの量子性を無視できないためJ'を算出しただけでは駄目であり、完全に量子的な糸の計算が不可避である。そこで、Heisenbergハミルトニアンを全スピン状態を基底として展開し、厳密対角化することでスピン状態の解析を行った。
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Research Products
(19 results)