2007 Fiscal Year Annual Research Report
光導波路分光による電極界面物質移動の直接観測法の開発
Project/Area Number |
19750007
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高橋 浩司 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 助手 (50366415)
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Keywords | 電気化学 / 分光電気化学 / 光導波路 / エバネッセント波 |
Research Abstract |
本研究は、スラブ型光導波路(SOWG)スペクトルにより電極表面から1μm以内の距離の範囲内に存在する物質の時々刻々と変化する濃度を測定することにより、拡散層内の物質移動を直接観測できる測定システム及び測定方法の開発を行っている。本年度の主要な研究実績は以下の通りである。 1.SOWGスペクトルによる電極界面測定用電解セルの設計・開発 本年度は透明電極、不透明電極、炭素繊維電極を用いた3種の電極界面測定用電解セルの設計及び開発を行った。透明電極を用いた三電極式電解セルでは、ITO電極を蒸着した石英ガラスを光導波路兼作用電極とした。セル形状は溶液層の加重による作用電極の変形を回避するため、電極を溶液の上に配置する上置き型セルを開発した。不透明電極には、炭素平板電極を用いた。不透明電極と炭素繊維電極を用いた電解セルは薄層セル構造とし、溶液層の厚さは、不透明電極では作用電極と光導波路の間の溶液層に入れた直径400nmのシリカビーズで調整し、炭素繊維電極では光導波路とガラス基板の間に入れたテフロン製スペーサーで調製した。参照電極には銀/塩化銀電極、対極には自金線を用いた。 2.エバネッセント波の到達距離可変の測定システムの構築 1で開発したセルをSOWG測定システムに組み込み、電極界面測定システムを開発した。電解セルにはポテンシオスタットを接続した。開発したセル及びシステムを用いて1M硝酸カリウム水溶液中で5mMフェロイン{トリス(1,10-フェナントロリン)鉄(II)錯体}のサイクリックボルタモグラムとSOWGスペクトルの同時測定を行い、電極反応の進行に伴うSOWGスペクトルの変化を測定することができた。また、入射光の角度を変え、エバネッセント波の到達距離を変化させて測定できる装置である。
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