2008 Fiscal Year Annual Research Report
カリックスアレーン-多核金属錯体,金属イオン集積錯体における三次元構造の支配
Project/Area Number |
19750022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
諸橋 直弥 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 助教 (70344819)
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Keywords | カリックスアレーン / チアカリックスアレーン / スルフィニル基 / 硫黄 / アミノ基 / 金属錯体 / 希土類イオン / 立体選択的合成 |
Research Abstract |
近年, 多核金属錯体や, 金属イオン集積錯体の合成と機能評価が注目されている。これらの金属錯体においては金属イオン同士の直接的・間接的相互作用により単核錯体にはない物性や機能の発現が期待される。当然, これらの機能は分子中の金属イオンの配列に大きく依存する。よって, 1)金属イオンの性質に対応でき, 2)安定な錯体を高効率的に生成し, なおかつ3) 立体構造を制御できるような, 万能な配位子の開発が必要となる。そこで本課題では, フェノール環状オリゴマーであるカリックス[4]アレーン類の配位環境を巧みに利用して複核金属錯体の立体選択的合成を試み, 生成した錯体の機能評価を行なうことを目的としており, 本年度は以下のことを明らかにした。 まず, アミノカリックス[4]アレーンのアミノ基及び水酸基の配列を利用して, ソフト及びハード性金属錯体の立体選択的合成に成功した。さらには異種二核錯体の生成も確認した。一方, チアカリックスアレーンの部分構造である, 硫黄架橋鎖状オリゴマーの水酸基をヘテロ配位性官能基に変換した誘導体の合成に成功し, 配位性官能基の配列による特異な金属錯形成能の発現を明らかにすることができた。例えば, 硫黄架橋安息香酸オリゴマーは希土類イオンに対して高い親和性を有することが明らかになり, さらにそれと希土類イオンとの高次な錯体の調製にも成功した。さらに, 既に調製法を確立しているチアカリックスアレーンチタンニ核錯体の触媒能を明らかにした。
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Research Products
(9 results)