2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750027
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
前田 優 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 助教 (10345324)
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Keywords | フラーレン / 金属内包フラーレン / 可逆付加反応 / 付加反応 |
Research Abstract |
金属内包フラーレンは、『球面の内側に金属原子を取り込んだ特異な構造』のみならず、金属原子から炭素ケージへの電子移動に基づいた空フラーレンとは異なる特異な電子的特性を持つ。金属内包フラーレンの新奇な特性を活用した材料科学等の応用研究へと展開するためには、精密有機合成に基づいた金属内包フラーレン機能化法の開拓は急務の課題である。フラーレンの可逆付加反応は、機能化のスイッチング制御や、本反応系を保護基として利用した付加位置の制御法など、付加反応-逆反応を鍵とする様々な応用展開が期待できる大変興味深い反応系である。金属内包フラーレンは、内包金属やフラーレンケージの組み合わせによって、多様に合成できるがその多くはC_60とは異なる対称性を有しており、分子変換の際に多くの位置異性体が生成してくると予想される。従って、位置選択的な分子変換法の開発が必要となる。本研究では、ジエンの環化付加反応を中心に金属内包フラーレンの位置選択的な可逆反応の開拓を行った。具体的には、種々の金属内包フラーレンの大量合成を行い、反応機構の検証および付加体の安定性の向上を目的としてペンタメチルシクロペンタジエン(CP*)との反応モデルとして、電子供与基や電子吸引基を導入することにより、化学反応性・位置選択性の制御を検討した。CPに比べて高いHOMO準位を持つCP*はLa@C_82と高い反応性を示し、位置選択的に付加体を高収率で生成した。さらにレトロ反応について検討したところLa@C_82 (CP*)はLa@C_82 (CP)に比べ高い安定性を有することがわかった。これらの誘導体に適用するための共有結合型の付加反応についても検討した。
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[Journal Article] Two-dimensional Hopping Motion of Encapsulated La Atoms in Silylated La_2@C_802007
Author(s)
T. Wakahara, M. Yamada, S. Takahashi, T. Nakahodo, T. Tsuchiya, Y. Maeda, T. Akasada, M. Kako, K. Yoza, E. Horn, N. Mizorogi, S. Nagase
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Journal Title
Chem. Commun.
Pages: 2680-2682
Peer Reviewed
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